岩本個人教室 の日記
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英語は難しい?
2015.07.16
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中学生にとって英語の習得は相当難しいことのようです。
先日ワークにこんな問題がありました。
日本語に合うように__に適切な語を書きなさい。
Please __ __ Toshi.(私のことをトシと呼んでください)
正解は“Please call me Toshi”ですが、ある生徒は”Please call my Toshi”と解答しました。
「my じゃなくて me だよ」と、I my me を説明しようとすると、知っているとばかり 「だって、私のことってあるもん」と言うのです。
「なるほどそうね。でも私のことって何か持ち物を指しているかな?自分自身のことじゃないかなあ。myは私の机とか、私の学校とか、私の先生とか持ち物を言うときに使うので必ずmyの後に名詞が来るのよ。 ”私のこと" は "私を" と同じ事だね。だから me だよ」と説明したことでした。
「日本語の言葉どおり英語の訳語を当てはめるのでなく、文章の意味を考えて英語の単語を選ぶのよ。日本語は色々な表現が出来るから英語の勉強にはそこが難しいところなのよね」と話します。
また、なかなか身につかないのが言葉の順序です。
小学校の時、文章の書き方を「誰が、何時、何処で、何を、どの様にした、と教わりました。それはなかなか消えないようです。
例えば、「私は昨日、庭できれいな鳥を見ました」を英語にしなさい、と言う問題が出ると、“I yesterday garden a beautiful bird”などと、言葉どおりに単語を並べていったりします。英語の主語、動詞(述語)、場所、時という語順を習得するのは難しいことのようです。特に主語の次に動詞がくるのがなかなか身につきません。
次に「です」と「ます」という言葉が混乱を招きます。例えば「私は勉強する」ならば "I study" と解答できるかもしれませんが「私は勉強します」になると、“I am study" となってしまう生徒が多いのです。
この辺りの中学校では、最初にBE動詞を学びます。“I am a boy.”は「僕は少年です」で、「I には amよ。」と繰り返えし教わるので、「です、ます」の違いに気も留めないで am をいれるのかも知れません。「ます。」は丁寧語で英語には必要ないのですが、書いてあればなにか訳語をいれたいものなのでしょう。
他にも、人称によって動詞が変化したり、複数名詞にはsがついたりと、日本語とは違う文法がいろいろあります。
わたしたちが日本語を話せるように成るのには、学校でするような勉強はしません。言葉は自然に身についていくものです。言葉を習得する時期は2.3才の時だそうです。その時期を過ぎて外国語を学ぶことは大変なことなのです。日本語は父母、その他多くの人から自然に何度も何度も聞いて話せるようになり、幼児期、学齢期に入って読んだり書いたりして身についたように、英語も教科書を何度も何度も音読し、文型練習をし、色々な問題に数多く挑戦する事が大切だと思います。数学より倍以上の努力が必要でしょう。一方反復練習だけではなく、文法を日本語と比較して考えたりして、幼児期の日本語習得とは違い、理論で考える学習も必要です。
よく「何故そう言うの?」と聞かれます。説明できることもありますが 慣用句などお国柄の違いとかなどで説明できないこともあります。子供のように素直に受け入れて真似ることだと思います。
言語習得能力は2.3才ということですが、その時期を過ぎるともう駄目と言うことではなく、思春期までは外国語を母国語の様に学ぶ能力があるそうです。中学生にとって習得する可能性が十分残っているということです。生徒と勉強しながら、どこで躓くのか、どこが難しいのか 共に学んでいきたいと思っています。