岩本個人教室 の日記
-
式の計算は丁寧に
2015.06.08
-
私の住む小田原市の東部では、どの中学校も同じ数学のドリルを使っています。問題数が多く、学習したことを定着させるのにとても良い教材です。
数学で最初に学ぶのは式の計算ですが、生徒がそれに取り組む姿勢にはおおまかに見て3つのタイプがあるようです。
4(2x-y)-3(2x-5y) の計算を例に説明すると――
第1のタイプは、学校で習った通り、丁寧に計算するタイプです。
4(2x-y)-3(2x-5y)
= 4×2x+4×(-y)-3×2x-3×(-5y) ――――― ×の記号を省略せず括弧をはずす … ①
=8x-4 y-6x+15y ―――――――――――――― ×の記号を省略 ……………………… ②
=8x-6x-4y+15y ―――――――――――――― 項を並びかえる ……………………… ③
= 2x+11y …(答え) ―――――――――――――― 同類項をまとめる …………………… ④
これは学校で教わった通りです。計算の決まりさえ間違わねば殆ど正解になります。
第2のタイプは①と③省略して、②と④だけで答えを出すタイプ。面倒くさがり屋さんや、頭の回転が速い生徒のやり方です。
問題が簡単な時はこれで良いのですが、項数が増えたり、分数式や×÷が混じったり、累乗が加わったりするとそう簡単にはいきません。途中式が必要になります。特に分数には通分、約分、逆数など面倒な手続きがありますから、やはり途中式をちゃんと書いて取り組まねばなりません。このタイプの生徒には「学校の階段を良く2段とばしして上るでしょう。ときに踏み外して下まで落ちて痛い目に遭うことがあるよね。あれと同じで、1段1段上ると安全なように計算も途中式を1つ1つ丁寧に書いていくとオートメーションで自然に正解に辿り着くのよ。数学は手で。数学は労働よ」と申します。
第3のタイプは ノートの端にちょこちょこメモをしたり計算をしたりして答えだけ書くタイプです。余程優秀な生徒ならいざ知らず大体正解は望めません。「脳は柔らかくて、脳に直接書いたつもりでもすぐ消えるらしいよ。覚えていると思っていても薄れたり、間違ったりして頭を悩ますよね。紙に鉛筆で書くと消えないから、思い出す必要がなく頭を痛めないで正解に辿り着くからちゃんと書きなさいよ」と注意します。
練習のドリルで途中式を1行漏らさず書いているとAの二重丸を下さる先生もおられるようです。それ程丁寧さが大事だと言うことだと思います。高校入試では式の計算は満点を取って欲しいところだからです。式の計算で一番の敵は油断と不注意です。とくに+、-には気をつけましょう。