岩本個人教室 の日記
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中学1年生こそ大事
2014.06.12
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小学4年生から通っていた生徒が今年中学生になりました。いま一緒に勉強していて、小学生から中学生になると言うことは大変な事なんだな、子供が大人になる過程で登らなければならない知的な階段は、長く険しいものなのだと、教えながらしみじみ感じています。
先ず数学です。中学からは算数が数学になります。小学校の算数では、日常生活に即して、あげる、貰う等を 増えたり(足す)、減ったり(引く)、分けたり(割る) と考えれば良いのでが、中学ではマイナス、プラスの符号が現れ、日常生活にはない負の数が登場します。
例えば、
(+3)+(+5)=+8
(-3)+(-5)=-8
(-3)-(-5)=+2
足し算はまだ良いのですが引き算になると一寸厄介です。
マイナスをマイナスするとは、日常ではありません。借りたお金を返さなくて良いと言うことで貰ったと同じことになるよね、と説明しても、非日常なことを無理に貸し借り置き換えている訳ですから、すんなりとは理解できません。つまり、具体的なできごとに置き換えられた算数と違い、数学には抽象的な世界が登場するのです
。
また記述的にも6年間身についたことはなかなか修正できません。
例えば 式のカッコやプラスが省略されるところまで進むと
-5-3=-2 (間違い) 正解は-8
-5+3=-8 (間違い) 正解は-2
などの数式が出ててくると、混乱します。マイナスは引き算 プラスは足し算と言う概念がしっかり根付いているため、数式を目にしたとき先ず 5-3 5+3が目に付くようです、式の前に符号があるという経験が無かったので 前の- や+は飾りのように思えるようです。
同じ数を何度も掛ける累乗もなかなか身につきません。小さな2が×2になってしまうのです。次にやって来るのが文字式、算数なのになぜ数字じゃないのと、馴れるまでは時間が掛かります。
しかし中学1年生で正負の数、文字式の理屈がしっかり分かれば、2年生への階段は険しくはありません。スムースに上れます。また1.2年をマスターしておれば3年で新たに入る2次式 二つ以上の文字のかけ算もそんなに理解困難ではありません。抽象的な物の考え方が頭のなかに出来たからでしょう。身体も頭も大人になったと言うことだと思います。それに中学3年頃には思考力が伸びるように思えます。
英語も同じです。日本語にない文法例えば、複数形、動詞の語尾変化等、また文章を書く語順が日本語とは全然違うとか、身についた母国語とは違う言語を学ぶのですからそれが身につくのには反復練習の時間と忍耐が要ります。また小学校で学んだローマ字の記述から抜け出すのは容易ではありません。
数学と同じくも英語の基礎は1年生で全て出てきますから、1年生で丁寧に我慢強く学べば2年、3年はより豊かな表現が出来る文型が増えるだけですから覚えれば良くそんなに困難ではありません。
大切なのは中学1年生の学びです。数学も英語も入学したての1年生にこそ丁寧に勉強して貰いたいと願っています。