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岩本個人教室 の日記

時の流れ

2014.01.23

ここ小田原・鴨宮地区で学習塾を始めて30有余年が過ぎました。世の中はすっかり変わりました。
 
塾を始めた頃、酒匂の家の周りは田んぼで、春の終わりの夜には蛙の鳴き声が賑やかでした。散歩も殆ど田畑の中を歩いていましたが、今はその田んぼは分譲住宅になり、鴨宮地区にはアパート、マンション、ヨーカドー、西武、シティモール等々大型店が林立し、かつての田園タウンは賑やかで車の渋滞に悩む町に変わってしまいました。
 
世の中の変化と共に学ぶ子供達の姿も変わってきました。十年一昔と言いますが、大きな流れとして、私の脳裏にハッキリと残っている姿は3つぐらいに分けられます。
 
酒匂の水道道で塾を始めた頃はまだ塾がそんなにはありませんでした。そのせいか、多くの生徒さんが集まって来ました。小学生はやんちゃで腕白で元気いっぱいでした。てんやわんやの賑わいの中で、一日が終わるとくたくたになりました。
中学生は生意気盛りで、反抗心丸出しの元気がありました。まず挨拶も無く黙ってぬうーと入ってくるのです。「挨拶は」と初めは注意していましたが、こちらから「今晩は」と声をかけることにしました。でも良い返事をしてくれ生徒は少なかったように覚えています。
 
平成に入って中里に教室を新築しました。初めの頃は家の周りに賑やかな子ども達の遊び声や走り回る足音が聞こえていましたが、今は子供達の声は殆ど聞こえず寂しいものです。ヨーカードや市の公社マロニエなどの大きな建物の影に座って子供達がたむろしています。それぞれにパソコンゲームをしていたりカードで遊んでいたりしているようです。
中里に移ってからの記憶で、はっきりしているのは、酒匂時代のような元気な子供がいなくなったことです。腕白な小学生は姿を消し、私が声を掛けるまでは何もしないで座っています。勉強の準備もせず座っているだけです。「私はまるで餌を作って口の中に入れてあげてるようだ」と思った記憶が鮮明です。また酒匂時代には身構えて対応しなくてはならなかった中学生は、温和になり、こちらで提供する教材をそのまま受け入れるという感じでした。
 
現在私の所で勉強している生徒さんは個性的で、自主的です。ぞれぞれが学校のドリルをしたり、宿題の英語の暗記を練習したり、学校で理解できなかったところを尋ねたりと、その日その時に自分で判断して学習を始めます。特に受験生は冬休み前に自発的に受験用のドリルを自分で選んで学んでいます。休み明けに2冊目に入った生徒さんもいます。
 
中里に移ってきた頃は、あまりに大人しく覇気も自主性も失ってしまった子供たちの姿を目の当たりにして、これからの社会はどうなってしまうのかと、随分心配もしましたが、私は現在の生徒さんの自主性、積極性に光明を感じ、将来に希望を持っています。そんな子供たちと、毎日楽しく学習しています

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