岩本個人教室 の日記
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サッカー少年
2013.08.13
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中学2年生のK君は部活はサッカー部。
8月5日のことです。K君は、はやくも学校の夏休みの宿題を終わらせて、塾で渡してあったワークを始めていました。驚いて
「宿題はもう終わったの?」
と訊ねると、
「夏休みの宿題は、3日までサッカー部の顧問の先生に提出しなくてはいけないのです」
聞くところに依ると提出科目は数学で、夏休み明けに提出する前に、顧問の先生が答えをチェックして下さるそうです。3学年の部員全部の答えを見るのはどんなにか大変な事と思います。文武両道を旨として部員達を指導していられるのだな、なんという素晴らしい指導をなさっておられるのだろうと頭が下がります。そして、K君も先生の指導を受け、毎日部活に行きながら、夏休みの宿題も早く終わらせているのです。偉いな、と思ったのでした。
K君は英語がちょっと苦手です。英語の宿題に長文の英訳が3つありました。「マジックボックス」「笠地蔵」「ネズミの嫁入り」でした。K君は3つとも知らない物語だと言っていました。最初は、長文の英訳に戸惑っているようで、私の顔色をうかがい、手伝って欲しそうでした。そこで、「これが主語」「これが動詞」「これは前置詞」などと一つひとつを説明しながら、英訳を手伝いました。ところが、3つめの長文になると、私が説明する前に、自分で訳を書き始めていたのです。所々間違いは指摘はしましたが、ほとんど自力で英訳することが出来ました。
これだけできるのに、最初はどうして出来なかったのだろうと、不思議に思ったほどです。初めての長文だったから、どうすればいいか、よく分からなかっただけなのだと思いました。ちょっとのことで、子供は驚くほどの成長を見せてくれます。そんなとき、ああ、この仕事って楽しいと思うのです。
K君から、愚痴や溜息などを耳にしたことがありません。サッカーに情熱を注ぎながら、勉強も疎かにしないという、サッカー部の顧問の先生の指導で、学ぶ意欲、姿勢などが育てられていることをつくづく感じます。