岩本個人教室 の日記
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可愛らしい間違い
2015.09.22
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Mちゃんは、やる気満々で馬力のある小学2年生の女の子です。
夏休みに入って第1日目に、教室に勉強に来ました。「宿題は?」と尋ねると「もう終わった」との返事。ビックリしました。「じゃあ、ここでお勉強するドリルを買おうね」と言って3冊、渡しました。
家族旅行に出かけていたMちゃんが、2週間後にやって来ました。第一声の「ドリル、終わっちゃった」で、また私を驚かせてくれました。
さっそく、答え合わせをしました。最初の方の計算問題は全部正解。ところが、最後の方の筆算の引き算は、全部間違っていました。例えば、こんな具合です
83 36 77
-)45 -)28 -)49
――――― ――――― ―――――
42 12 32
正解は左から38、8、28ですが、最初の方の計算ができているMちゃんが、なぜ、引き算の筆算だけできないのか、不思議でした。が、間違った問題を良くみていて、原因が解りました。Mちゃんは、一の位の引き算を、(引かれる数)から(引く数)を引くのではなく、一の位の大きい方から小さい方を引いていたのでした。
間違いはたくさんあったので、全部正解と思っていた本人はでショックのようでした。夏休み直前に学んだばかりのところでした。
Mちゃんは、筆算の引き算の意味が良く分かっていなかったようです。教科書を見せながら、まず、上が(引かれる数)、下が(引く数)だということを復習し、(引かれる数)の一の位の数が、(引く数)の一の位の数より小さいときの計算方法を教えます。「キャンデーが3個しかないのに、5個ちょうだいと言ったら、どうなるかな。5個貰えるかな?」「貰えない」「そうね、小さい数から大きい数を引くことは出来ないよね。足りないときは、よそから借りてこないとね」と言って繰り下がりを説明しました。すぐ理解できましたが、全部やり直すのはちょっと辛いようでした。でも繰り下がりが確実に身につくようにと思って黙って見守りました。
小さな子は、こんな可愛い間違いをする事を知りました。早くに気づいて良かったと思っています。新学期に悲しい思いをせずに済みました。